なよダーツ。

ダーツの総合ブログ。新しい記事は「真なよダーツ」に移転されました。このブログは広告によって運営されています。

【腕が前に出ない】ダーツでイップスになって復活|効果があった治し方

腕が前に出ないダーツのイップスの治し方

こんにちは「なよカエル」です。
実はここ数ヶ月完全にダーツから身を引いていました。
その理由が、イップスになっちゃたんですよね。

現在はだいぶ改善して、また楽しくダーツを投げられています。
ただ、イップス期間中はゲロ吐きそうなくらい辛かった…。

と言うことで、今回は

  • イップスの治し方
  • 私がイップスになってしまった経緯
  • イップスになってしまった原因の考察

これらを書いていきます。では、行ってみましょう。

実際に効果があったイップスの治し方

イップスと一言で言っても、色々なバリエーションがあるかと思います。

私のイップスの症状としては以下の通り。

  • リリースポイントが分からなくなる
  • いつまでも手の上にバレルが残っている気持ち悪い感覚がある
  • ダーツを飛ばそうとしてもダーツボードに刺さらない
  • ダーツを自分の前の地面に叩きつけてしまう
  • 腕が前に出ない

このような症状に苦しめられました。

最初は、リリースポイントが分からなくなるという軽めの症状から始まりました。
次に手を離すタイミングを見失っているので、スローをしても最後までバレルが手に残ってダーツが地面に叩きつけられる状態に。
そして、最終的に腕が前に出なくなる「THE イップス」という症状になるという、段階を踏んでの発症でした。

ダーツから離れて投げる練習をしよう

そんな私はイップスから脱却するために色々なことを試しました。
その中でも、一番効果があったのがダーツから離れて投げる練習をすることでした。

私は今まで全長50mmくらいのロングストレートバレルを好んで使っていました。
この手のバレルは扱いが若干難しいですが、グルーピングに有利なので積極的に使うべきだと考えています。
ただし、あくまでもロングストレートバレルは「モノを投げる」という基礎能力が身についていないと使いこなすことはできません。

案の定、私はイップス時にストレートバレルをどのように投げたら良いのか全く分からなくなっていました。

そんな私がイップスを治した方法が以下の通り。

  1. ピンポン球をポイポイ投げる
  2. ピンポン球をダーツっぽく投げる
  3. ショートバレルで投げる練習
  4. 本番バレルに徐々に移行
ピンポン球をポイポイ投げる

ピンポン

まずは、ピンポン球を使って練習をします。
ピンポン球はダーツよりも太いですし、そもそも球体です。ダーツよりもモノを投げるという動作に適しています。
それでいて軽いので、力を入れずとも投げることができるのでダーツとの共通点も持っています。

いきなりダーツと同じように投げることに抵抗があったので、最初は投げ方をあえて崩して投げていました。

  • 脚を入れ替えて投げる(いわゆる野球投げ)
  • 座って投げる
  • ゴミ箱に投げ入れて遊ぶ

そんな感じで適当に投げているうちに「モノを投げるのは自然で簡単なことなんだな」と思えてきます。
私は最初はピンポン球すらぎこちなく投げていましたが、適当にポイポイしているうちに慣れてきました。

ピンポン球をダーツっぽく投げる

ピンポン球を適当にポイポイ投げるのに慣れたら、ダーツを投げるのと同じスタンスで投げる練習をします。
いきなりダーツボードを目の前にすると緊張するので、最初はカーテンや壁に向かって投げていました。

あくまでダーツっぽく投げるだけ。
深く考えずに雑に投げるくらいの気持ちで。

カーテン投げにも慣れてきたら、ダーツボードに向かって投げます。
家にダーツボードがない人は、壁に170cmあたりに印をつけてその点をブルに見立てて投げてみてください。

この練習の良いところは、家でもできるという点。
ダーツボードが家になくても、気が向いた時にお手軽に練習できます。

ショートバレルで投げる練習

ピンポン球でモノを投げる動作に抵抗が減ったら次にダーツを用意します。
いきなり今まで使っていたバレルではなく、ピンポン球に近い形状のバレルを使いましょう。

理想は短くて太いトルピード形状のバレルです。
大きなフライト+短めシャフトで球のように投げられるセッティングにすれば完璧。

私はトリニダードのバークレーを使って投げていました。
短くて太いけど実戦でも使えるレベルのショートバレル。イップス治療をしながら対戦もできるのでオススメです。
→バークレーの詳細レビュー

イップスの症状がひどい人は、さらに球体に近いバレルを用意すると良いでしょう。

あとは、ディークラフトのボンバーなんかもオススメです。
全長25mm、最大径15mmのふざけたバレルですが、ピンポン球に形状が似ているのでスムーズに移行できるでしょう。コスパも良いです。

イップスは一度発症してしまうと、おそらく長い付き合いになります。
私もいまだに、イップスが頭をよぎることがあります。
そんな時にこの手のショートバレルを持っていればいつでも矯正できるという安心感が生まれます。
ショートバレルをお持ちでない方は精神安定剤として用意しておいて損はないと思います。

ダーツを投げる時も最初は大まかにダーツボードを狙うことをオススメします。
トリプルリング内のビックグルを狙うような感じで雑に大まかに狙っていきます。
いきなりブルを狙うよりも気持ちが楽ですし、ダーツをはじめたてのような新鮮な気持ちを味わえます。

本番バレルに徐々に移行していく

ダーツのイップスの治し方のバレル選び

ショートバレルにも慣れてきたら、あとは本番バレルに移行するだけ。
投げているうちにまたイップスっぽくなったりと繰り返すことになるかもしれません。
そんな時は、ショートバレルと交互に使ってみたりと反復練習をすることで私は徐々にショートバレルを使う機会が減っていきました。

また、私はいきなり以前に使っていたロングストレートバレルに使うのが怖かったので、一度ショートバレルとロングストレートバレルの間に当たるトルピードバレルを挟みました。
ショートバレルを基準として、色々なバレルに挑戦していくのが良いと思います。

以上が私がイップスを実際に治した方法です。

イップスになった経緯

迷っている人のイラスト

せっかくなので、私がイップスになってしまった経緯も振り返ります。
私と似た境遇の方なら、より一層今回紹介したイップスの治し方が効くと思います。

イップスの始まり

ことの始まりは半年くらい前。
大学を卒業し就職した私は1年ほど私生活でバタバタしていて、ダーツの練習時間が大幅に減りました。
そんな中、久々にダーツ友達とバチバチに対戦するつもりで投げに行きました。3時間投げ放題コースです。

1時間くらい投げていたら段々と感覚を取り戻してきて640点くらいを平均して推移していました。
さて、このまま投げていたら元の平均700〜800点くらいに戻せるなと思っていた頃、突然ダーツが飛ばなくなった。

その入らなくなったと言うのも、様子が明らかにおかしくてトリプルリング内にすら入らない。
全てトリプルリング外の3、17、19とかに落ちるように。
最終的にはダーツの盤面にすら入らず、ダーツライブ2のボタンあたりにバシバシ当たるようになりました。
その時は、あまり気にしておらず「久々に投げたから疲れたんだろうな」と思ってその日の投げ会は終了。

これイップスかも

後日、よく通っていたダーツバーに遊びに行ってダーツを投げました。
最初こそ普通だったのですが、数ゲーム後にダーツボードに刺さらなくなり、最終的に盤面に刺さらなくなりました。

挙げ句の果てに腕が前に出ない。
ダーツがベターっと手に張り付いて、いつまでも手に残って腕が前に出ないのです。
この感覚がとても気持ち悪いですよね。自分の体が自分のものでなくなってしまったような最低な気分を味わいました。

その時初めて「あ、これダメなやつだ」と思いました。
そして「イップス」という言葉が頭をよぎり、その時点から一切腕が前に出なくなったのです。

ダーツバーの常連さんは私の全盛期を知っているので、新規のお客さんに「この子ダーツ上手いんだよ!」と紹介してくれるわけですが、ぶっちゃけ投げられるような状態ではない。
次第にダーツを投げるのが怖くなっていきました。

そんなこんなで1ヶ月くらい、ダーツから逃げていました。
イップスを治したい一心で家でダーツを投げようとするも、やっぱり手が前に出ない。
本当にイップスになってしまいました。

その時は、悔しいとか悲しいよりも、虚無感がすごかった。
4年続けてきた趣味が、こんなにもあっさりとゼロに戻ってしまうのかと。
ぶっちゃけ、このままダーツは引退することすら考えていました。

イップスを治すきっかけ

本気でダーツの引退を考えていた私ですが、一つの転機がありました。
それはとあるダーツバーでベロベロまで酔っていた時。
酒でIQが3くらいになっているので、イップスの気持ち悪さも飛んで、遊びでカウントアップをしてみたんですね。

セットアップなどはせずにノーセットアップでリズムだけを大切に投げた記憶があります。
そうすると、これに関しては天が味方してくれたのか、はたまたバグっていたのか、カウントアップで980点が出たんですよ。
当時は500点も行かないことが日常だったので、ガチで涙が出るほど嬉しかった。ダーツをやってきた中で一番嬉しかったまであります。

そんな”まぐれ”を目の当たりにして、自分のやってきた経験は決して0になったわけでは無かったんだと思いました。
実際に980点は”まぐれ”で、その後はいつもの500点に届かない状態に戻ってしまいましたが、この出来事が救いになったことは間違いありません。

その後は本気でイップスを治すために試行錯誤を開始しました。
そして、結局前述した方法でなんとかイップスから脱却することができたのです。

イップスの原因を考察

分析する人のイラスト

そもそも、私が何故イップスになってしまったのかの考察もしてみます。
適当な性格でイップスとは無縁だと考えていた自分。
そんな自分がイップスになってしまった原因の全ては「圧倒的練習不足」に帰結するように思います。

圧倒的練習不足

元来、私はダーツに関してセンスがない凡人タイプ。
そんな私がダーツライブでRt.15を達成できたのは単に練習量が多かったからです。
大学生という自由時間が比較的多い期間を利用してガッツリ練習量を投下したからこそ、全盛期の自分があったと言っても過言ではありません。

しかし、生活の変化からダーツの練習時間が一変。リアルな話、練習量は1/10以下になっていました。 今まで大量の練習が技術を支えていた人間が急激に練習量を減らした結果が私の場合はイップスになってしまったのです。

頭と体が連動しない

私がイップスになってしまった一番の原因は、頭と体が連動しなくなったことだと思っています。

例えば、ダーツプロの動画を観て「この投げ方を真似したい!」と思ったとします。
以前は、頭でプロの投げ方をイメージすると自然と体がアウトプットしていました。
「頭でイメージ→体がイメージ通りに出力」このプロセスが当たり前のように出来ていたのです。
これはあくまでも今まで色々な投げ方をトライアンドエラーを繰り返した経験があったからこそできることでした。

また、理想の投げ方と現実ではどうしても乖離が生まれます。
身長、骨格、利き目…色々な制限があってのスローなので、理想と全く同じ投げ方をするのは不可能。
以前までの私は、今までの経験から無意識に体が自分にとって不都合な点は修正をしてたのでしょう。

しかし、練習量を減らすと、頭と体が連動しなくなりました。
頭だけが突っ走っている状態で、理想の投げ方をイメージしても体が上手く反応しない。
さらには自分の投げやすいような修正もできないので、投げるという行為そのものが崩れていく…。
そして最終的に爆発してイップス発症。

今思うとこのような流れでイップスが起こったのだと思っています。

プログラミングに毒された

イップスになってしまった原因の一つはプログラミングのせいだと思っています(笑)
私はこの数ヶ月プログラミングにハマっていました。HTMLから始まり、JavaScript、PHPと幅広く勉強していました。
プログラミングの良いところは、正しい指示を入力すれば、必ず正しい結果を出力してくれるところです。
プログラミングの世界ではバグがない限りは1+1は必ず2なのです。この単純明快な世界にハマっていました。

このプログラミングの原理をダーツに持ち出してしまったのが運の尽き。
理論的に考えられた理想の投げ方を体に指示すれば100%の再現率でアウトプットされると思っていたのですね。 しかし、現実世界では1+1は必ずしも2になるわけではありません。
人によっては3になることもありますし、環境によって、時間によって、使う道具によって変化します。

ただでさえ体の修正システムが機能不全を起こしている状態で、体に無理難題を流し込んだせいでイップス発症、というのも少なからずあったと思います。

まとめ:イップスになった話

以上、私が実際に苦しんだダーツのイップスのお話でした。
ぶっちゃけイップスは泣きたくなるほど辛かったです。
今まで積み上げてきた練習が一瞬で無駄になってしまったような感覚。

一方でイップスになって良かったと思えたこともあります。
イップスを治して自信がつきましたし、下がってしまったスタッツを上げられるように目標を掲げて最近は練習に励むことができています。
また、今まで考えもしなかった投げ方なども積極的に取り入れることになったので、投げる幅も広がりました。

ある意味自分には必要な経験だったのかなと最近では開き直ることができました(笑)
ということで、イップスのお話は終わり。少しでもここに書いたことが、あなたのお役に立てれば幸いです。ではでは。